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C&Dh系

・系の概要

C&Dh系とは, 測定した各種機器の電流・電圧, 温度といったデータの取得, 送受信データの処理, そしてミッションである新型マイコンの放射線耐性試験のデータの蓄積/収集を行うサブシステムです.  衛星のデータ全般を処理する,いわば「衛星の頭脳」です.

・系の機能

 1. “HKデータの蓄積/収集”

 2. “テレメトリの生成”

 3. “コマンドの実行/取得”

 4. “ミッションデータの蓄積/収集”

 5. “通信系統の切り替え”

 6. “バッテリーヒーターの制御”

 

  1. “HKデータの蓄積/収集”
    HKデータの蓄積および収集を行います. HKデータとは衛星内部の健康状態を表すデータのことです. 具体的には, バッテリの温度・電圧・電流, 搭載マイコンの電圧・電流・シングルイベント発生回数, 通信系統の電流・電圧などを表します.
  2. “テレメトリの生成”
    衛星から送信されるデータはテレメトリと呼ばれます. HKデータやミッションで必要となるデータを地上に送信する際には, 取得したデータをあらかじめ決めておいたテレメトリのフォーマットに変換し、通信系にデータを渡します.
  3. “コマンドの実行/取得”
    コマンドとは地上局から衛星に送信される命令のことです. コマンドを受信した際, コマンドに従って他のサブシステムを操作します.
  4. “ミッションデータの蓄積/収集”
    ITF-2のミッションの一つに「新型マイコンの動作実証」があります. 新型マイコンの軌道上での動作を監視し, 得られたデータを衛星に搭載された記録媒体に蓄えます. この蓄えたデータを, ミッション専用のコマンドを受信した際に地上に送信します.
  5. “通信系統の切り替え”
    ITF-2は通信系統を2系統(通信系統A,B)持つ冗長設計となっています. これはCW送信が最低限達成されるよう意識されたITF-2固有の設計です. 通信系統A,Bには若干の機能の違いがあります. 通信系統Aは430MHz帯のモノポールアンテナを用いて送受信を行います. 一方, 通信系統Bは超小型アンテナ(430MHz帯送信, 144MHz帯受信の2種類)を用いて送信を行います. また, 通信系統Bの受信は常に電力が供給されており, 通信系統Aの送受信, 通信系統Bの送信は常にどちらか一方に電力が供給されます. これらの仕様や電力収支を考慮し, 通信系統A,Bを適切に切り替えるのもC&Dh系の役割の一つです.
  6. “バッテリーヒーターの制御”
    衛星にはバッテリーが搭載されていますが,このバッテリーが冷えてしまうと,電力が十分に得られず衛星が止まってしまいます.そこで,バッテリーの温度を常に監視していて,一定の温度より低くなったら,バッテリーに巻きつけているヒーターでバッテリーを温めます.

 

・系の特徴

  1. 電源マイコン(PIC16F877)
  2. メインマイコン(ATMEGA2560-16AU)
  3. 通信マイコン(PIC16F877)
  4. マイコン間通信(i2c, usart, spi)
  5. 新型マイコン(MSP430FR5739)
  6. SATCOM HVU-301

 

  1. 電源マイコン(PIC16F877)
    電源マイコンは主に電源の監視と通信系統の電力制御を担当するコンポーネントです. PIC16F877という型番のマイコンを用いています.
  2. メインマイコン(ATMEGA2560-16AU)
    メインマイコンは主に通信系統Aの制御と新型マイコンの動作の監視を行うコンポーネントです. ATMEGA2560-16AUという型番のマイコンを用いています. これはArduino MEGA 2560に搭載されているマイコンと同じ型番です.
  3. 通信マイコン(PIC16F877)
    通信マイコンは主に通信系統Bの制御を行うコンポーネントです. 電源PICと同じく, PIC16F877という型番のマイコンを用いています.
  4. マイコン間通信(i2c, usart, spi)
    電源マイコン, メインマイコン, 通信マイコンの間でのデータのやり取りは, 電源PICをハブとして2種類の通信方式を用いて行われています. 電源PICとメインマイコンの間はUSART通信, 電源PICと通信PIC(およびRTC)の間にはi2c通信が用いられています. 一方, 通信マイコンと通信系統BのSATCOM HVU-301, メインマイコンと通信系統AのSATCOM HVU-301の間ではそれぞれusart通信が使用されています. また, メインマイコンと新型マイコン, 記憶媒体(EEPROM)の間ではspi通信が用いられています. 一方で, メインマイコンと新型マイコンの間のデータのやり取りはspi通信で行われています.
  5. 新型マイコン(MSP430FR5739)
    新型マイコンとは, ミッションの一つである「新型マイコンの動作実証」に用いるマイコンのことです. MSP430FR5739 という型番のマイコンが用いられています.
  6. SATCOM HVU-301
    通信系統A, BともにSATCOM HVU-301を用いています. SATCOM HVU-301はITF-2に搭載されている無線機の細かい操作などを制御するためのサードパーティー製のモジュールです.

 

・系の用語集(テクニカルターム)

・C&Dh系

C&Dhとは “Command and Data handling” の略です. 直訳すると 「コマンドおよびデータの取り扱い」をする系となります.

・HKデータ

HKとは “House Keeping” の略です. 衛星内部の健康状態を確認するデータのことを言います.

・シングルイベント

高エネルギー粒子が半導体に与える影響により引き起こされるSEL, SEUという現象を総称してシングルイベントといいます.

・SEU

SEUとは “Single Event Upset” の略です. SEUは半導体素子内部の回路に重イオン粒子や陽子などの高エネルギー粒子があたることが原因となって発生する現象で, マイクロプロセッサのデータが反転してしまうという症状が生じます.

・SEL

SELとは “Single Event Latch-up” の略です. 半導体素子の内部には回路がサイリスタとよく似た構造となっている個所ができていることがあります. SELはそのような箇所に高エネルギー粒子が当たることが原因となって発生する現象で, ICに過大な電源電流が流れるという症状が生じます.

・テレメトリ

衛星から受信したデータのことをテレメトリといいます.

・コマンド

地上局から衛星に対して送信する命令をコマンドといいます.

・冗長設計

冗長化された設計を冗長設計といいます. 冗長化とは, 「システムの一部に何らかの障害が発生した場合に備えて, 障害発生後でもシステム全体の機能を維持し続けられるように予備装置を平常時からバックアップとして配置し運用しておくこと」をいいます(出典:wikipedia 「冗長化」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%97%E9%95%B7%E5%8C%96).

・型番

型番とは製品の型式を識別する際に用いる番号のことを指します.

・マイコン

マイコンとはマイクロコントローラの略です. ひとつのチップでコンピュータの構成要素(CPU, データメモリ, プログラムメモリ, I/O, 演算装置)をすべて内蔵しており, プログラムメモリを書き換えることで, 目的に合わせた働きをさせることができます.

・RTC

RTCとはリアルタイムクロックの略です. リアルタイムクロックとはコンピュータに内蔵された時計のことを言います. また, 時間の測定に特化したICのことをリアルタイムクロックという場合もあります. 本ページでは後者の意味合いです.

・i2c, usart, spi

シリアル通信の方式です.

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