ITF-2のミッション

ITF-2では、次の3つのミッションを掲げています。

1. 「結」ネットワークの構築

「結」ネットワークとは,ITF-2からのデータを直接受信した体験を共有する人々のネットワークです.通常の生活では接点を持たない人と人が,衛星信号受信という共通体験をきっかけとして,地球規模での交流の機会を獲得できるような衛星と衛星運用システムを提供する予定です.こうした日々拡大していく人々の交流のためのネットワークを構築することが,「結」ネットワークの構築ミッションとなります.

2. 超小型アンテナの実証

MEMS技術を活用したデバイスに用いられる通信用アンテナは,波長に比べて極めて小型化されています.近い将来において,超小型衛星分野にこうしたMEMS技術を積極的に利用することにより,飛躍的に高機能かつ高信頼の衛星が実現できる可能性が考えられます.

その第一歩として,ITF-1ではアマチュア無線帯向けの超小型アンテナを,開発済みの315MHz帯向けのアンテナを基に製作して衛星に搭載し,アップリンクの受信の実証をミッションとしました.ITF-2ではさらに発展させ同様の周波数帯で超小型アンテナを用いた送受信の実証をミッションとします.

超小型アンテナを用いた送信ミッションでは、AFSK方式を用いたダウンリンクを行います.宇宙での実績が確認されれば,今後の衛星開発において実績のあるアンテナの選択肢の幅が広がることが期待できます.

3. 新型マイコンの実証

これまでの超小型人工衛星においては,放射線耐性の面などから実績のあるPIC 16F877などが多くされています.近年,FRAM(Ferroelectric RAM 強誘電RAM)マイコンが市場に投入され,従来のフラッシュマイコンに比べて放射線耐性が高いと謳われています.こうした新しいデバイスとして,MSP430FR5739を宇宙空間で安定に使用できることを実証します.

実績の無いデバイスの場合は,ミッションの主要機器として単独で用いるにはリスクが高いため,本ミッション以外のミッションに影響を及ぼさないように使用します.また宇宙放射線によって引き起こるシングルイベントラッチアップ,アップセットの発生回数を記録しダウンリンクさせることで動作の安定性を定量的に評価します.MSP430FR5739とPIC 16F877そして教育等でも利用しやすいATMEGA2560-16AUに同じ動作をさせ,比較します.