ITF-2の電波を受信してみようCalsat32の使い方

静止衛星を除く人工衛星は地球の周りを高速で周回しています(実際にはそのようにみえるだけですが)。ITF-2(TO-89)も同様で、ある観測点を通るのは一日のうちの限られた時間だけです。ITF-2(TO-89)の電波を受信するためにはいつ、どこの上空を通るのか調べる必要があります。調べる方法は幾つかありますが、その中でもCalsat32という衛星追尾用アプリを利用するのが便利です。この資料ではCalsat32のインストール方法および使用方法を説明していきます。

(1)「http://jr1huo.my.coocan.jp/jr1huo_calsat32/Download.htm」とインターネットで検索

(2) そのページからCalsat32ver1.5.5をクリックしてzipファイルをダウンロード

(3) zipファイルを解凍して「Calsat32ver1.5.5」内のsetup.exeを起動

(2017年11月27日時点での最新verが1.5.5です。最新verをダウンロードしてください。)

(4) 表示される画面に従ってCalsat32をインストール

このとき、以下の画面の際、インストールしたファイルの場所を確認してください。

以下の画面ではPC > ドキュメントにインストールされます。

Documentsをdesktopにすることでデスクトップにインストールすることも可能です。

(5) インストールしたファイル内のCalsat32.exeを起動します。

以下のような画面が出れば、「Calsat32が起動した状態」に正常になりました。

(6)Calsat32表示画面の左の「ファイル」をクリックし、「軌道要素ファイルの更新」をクリックします。

以下の画面が表示されるので、「データ取得」、「追加更新」の順にクリックします。

「追加更新」をクリックすると、以下の画面が表示されるので「OK」をクリックします。

「OK」をクリックすると、以下の画面が表示されるので「OK」をクリックし、Calsat32.exeを再び起動してください(再度、「Calsat32が起動した状態」にしてください)。

(7)Calsat32表示画面の左の「ファイル」をクリックし、「衛星グループの設定と変更」をクリックします。

グループの選択の左の↑を1回クリックします。

現在の編集対象がグループ:Zになったはずです。

軌道要素ファイルに含まれる衛星名で「ITF-2」を選択します。

「ITF-2」を選択した状態でリストに追加をクリックし、「保存」をクリックします。

※「ITF-2」がない場合は「TO-89」で同様の操作をお願い致します。

(8)Calsat表示画面で「ITF-2」(もしくは「TO-89」)が以下のように追加されるので、「ITF-2」(もしくは「TO-89」)をクリックします。

左下の表示が「ISS」から「ITF-2」(もしくは「TO-89」)に変わればOKです。

(9)左上のファイルから「観測点の設定と変更」を選択してください。

グリッドロケータ下の空白に「IO91OF」(アイオー91オーエフ)と入力し、変換の左の「↑」をクリックしてください。

「↑」を押したあとは、観測点の緯度と経度が以下のように変更されます。

「保存」ボタンを押してから、「閉じる」を押してください。

※保存ボタンを押さないと、設定が反映されません。

(10)以上でCalsatの設定は完了です。

語句の解説

AOS:Acuisition of Signal。衛星が観測地点の可視範囲に入ること。この時から衛星からの信号が聞こえ始める。対義語:LOS

Az:Azimuth。観測点から見た衛星の方位角。

El:Elevation。観測点から見た衛星の仰角。

Max El:観測点から見た衛星の最大仰角。パスごとに異なる。基本的Max El付近が最も衛星からの信号を聞きやすい。

LOS:Loss of Singnal。衛星が観測地点の可視範囲から出ること。この時に衛星からの信号は聞こえなくなる。

SDR:Software Defined Radio。ソフトウェアラジオのこと。

WebSDR:Web Software Defined Radio。インターネット上に存在するソフトウェアラジオのこと。衛星の電波(放送)をラジオ(WebSDR)で聞くことが出来る。

グリッドロケータ:GL。地球上での位置を経度・緯度を基準に6桁の英字・数字で表したもの。

パス:AOSとLOSの1回分の組。

Calsat32の表示画面例

観測点:グリッドロケータ「IO91OF」

(観測点の設定と変更のグリッドロケータを参照)

観測衛星:「ITF-2」

2017/6/16のパス

1stパス:2017/6/16 AOS 10:24 LOS 10:33 パス時間 9min Max El 32.0

2ndパス:2017/6/16 AOS 12:00 LOS 12:09 パス時間 9min Max El 21.5

5th パス:2017/6/16 AOS 16:52 LOS 17:01 パス時間 9min Max El 15.1

※min横をドラッグすると、5th以降のパス情報が見えます。

Max Elが大きいパスほど、衛星からの電波を受信しやすいパスです。

1st ~5thのパスでは、1stパスが最も電波を受信しやすいパスです。

AOS~LOSまでの間にWebSDRを利用することで、ITF-2の電波を受信できます。