昨年度、筑波大学「結」プロジェクトおよび東京都立大学宇宙システム研究室が共同開発する1U CubeSat「TSUKUTO」がUNISEC様主催の2023年度J-CUBE公募に採択され、打ち上げが決定致しました。新型コロナウイルス流行下で活動が滞り、プロジェクト終了が目前に迫っていた中再度打ち上げ機会を手にすることが出来たのは、筑波大学「結」プロジェクトを結び続けて下さった先輩方・亀田先生のご尽力、そして学内外の皆様からの多大なるご支援によるものです。改めて、心より感謝申し上げます。
2024年はH3ロケット2号機の成功を皮切りに、SLIMのピンポイント月面着陸成功、カイロスロケット1号機打ち上げ実証などが連なり、まさに宇宙開発新時代の幕開けとも言えるでしょう。コロナ禍も明け、宇宙開発のみならず全ての物ごとが益々加速の一途を辿る中でこの一端を担うことができるということ、非常に光栄に思います。
さて振り返ると、ITF-2の運用を行っていた頃、当時中学生だった私は"自分の興味のある分野で活躍できる大学を調べなさい"という夏休みの課題に頭を悩ませていました。当時から宇宙物理学に興味があり"宇宙に早いうちから係わりたい"という漠然としたロマンを抱き学部生から本格的に携われるような環境は無いかと探していた折、ITF-2のアウトリーチ活動が目に留まり、これが私自身が初めて筑波大学「結」プロジェクトを知ったきっかけとなりました。当時は学部生主体でCubeSat開発を行うことが世界的に見ても珍しく、その先進性に惹かれました。
打って変わって近年ではSTEM教育の一環として高校生が1U CubeSatの開発から運用まで行い、高等専門学校の学生が非常に高難度なミッションを成功させ、アメリカでは小学生がCubeSat開発を行うことが当たり前になっています。そして既に今年に入ってから打ち上げられた人工衛星は延べ500機を超えたところに鑑みるに、ITF-2打ち上げ時に比べ宇宙開発がより広範なものになっていると確証せざるを得ません。
そんな現在の活発な宇宙開発の礎を築いてきたITF-2の後継機TSUKUTOの開発にプロジェクトマネージャとして携わることが出来ることを幸甚に存じます。総合工学とも呼ばれる宇宙工学では学べるエッセンスは多岐に渡り、これらを吸収しながら日々プロジェクトマネージャとしての責務が果たせるよう精進致しますので、皆様の益々のご支援を心よりお願い申し上げます。
筑波大学「結」プロジェクトプロジェクトマネージャ
理工学群工学システム学類3年
遠藤 こまち