・地上局の概要
地上局とは、地上で衛星からの電波を受け取り、解析して今の衛星の状態を把握したり、地上から衛星に向けて電波を発信し、衛星に命令するための設備です。地上局チームでは衛星の運用に必要な設備を整え、衛星の運用を行うことが主な活動となっています。
・系の機能
筑波大学地上局アンテナ
2. "電波の送受信" 衛星の位置が正確に把握できたら、次は電波で衛星とやりとりします。例えば、衛星の通信モードを変更する時にはこっちからコマンドを送信して変更します。また、衛星の現在の状況が知りたいときはコマンドを送信した後、衛星からのダウンリンクを受信します。 また、宇宙空間で衛星は高速で移動しているため、ドップラーシフトによって電波の周波数にズレが生じます。それによって通信感度が変化してしまうので、通信する際にはその補正値も計算して周波数を合わせる必要が有ります。 受信したデータは2進数や16進数だったりしてぱっと読めるものではありません。それを解析して日本語と10進数の数字で見やすくするのも地上局の仕事の1つです。
3. "衛星の運用" 設備が整ったらいよいよ運用です。衛星が通信可能な範囲に入ったらこちらからコマンドを衛星の方に送り始めます。一通りの通信が終わったら運用の結果や通信logを記録し、報告書を作成します。一言で運用といっても、その間にしなければいけないことはたくさんあるので、その間でヒューマンエラーが発生する可能性も十分有ります。そのようなことを防ぐために、運用環境を簡略化したり、運用手順書を作成したりします。
衛星追尾用フリーソフト ”CalSat32”
・系の特徴
開発中のテレメトリデコードソフト
設置場所
筑波大学構内 総合研究棟B
1228号室および同屋上
送受信対応バンド
HF帯、144MHz帯、430MHz帯、1.2GHz帯
受信対応バンド
DC~3.0GHz
ローテータ
PC制御 仰角ローテータ
PC制御 方位角ローテータ
空中線
144MHz/430MHz/1.2GHz帯 GPアンテナ
144MHz帯 9エレ 八木アンテナ
430MHz帯 13エレ 八木アンテナ
1.2GHz帯 ループアンテナ
2.4GHz帯 ループアンテナ
HF帯 短縮ダイポールアンテナ
復調、デコードできる型式
CW,AM,FM,SSB,D-STAR,AFSK,その他多数
また使用機材は以下の通りになっています。
・無線機 ・IC-9100 ・オールモード対応 ・HFから1.2GHzまでのアマチュアオールバンドで送受信対応
・DJ-C7 ・ポータブルFMトランシーバ ・144MHz帯、430MHz帯に対応、FMによる受信に対応
・アンテナ ・GPアンテナ ・利得:144MHz帯 8.3db 430MHz帯 11.7db ・指向性: 無指向性 ・144MHz帯 八木アンテナ ・利得: 14.2db ・エレメント数 9 ・430MHz帯 八木アンテナ ・利得: 16.8db ・エレメント数 13
・ローテータコントローラ ・(型番) 方位角コントローラ ・(型番) 仰角コントローラ ・PC制御(TLEを基に行う) ・誤差プラマイ5度以内
・安定化電源 ・DM-330MV
・オーディオインターフェース ・CI-1 ・USB1.1 2in2out ・windows Linux対応
・運用PC direwolfを用いたコマンドの送受信、軌道計算、ローテータの制御、受信信号の記録を行う。